心臓がキュってなった。

昼間、ねーちゃんからメールが入った。


「お父さん、月曜から入院だって。済生会」


ってこれだけ。

あー、朝おかーさんから「お父さん、薬変えるかもだって」とは聞いていたけど、入院なんて聞いてないぞ。しかも今までと病院違うし。


なに？もしかしてついにダメなのか。


ねーちゃんは精神的にアレだから「あたし昔“お父さんなんか死んじゃえばいいのに”って思ったことがあるからだ」とか訳わからんこと送ってくるしよ。
あほかっつーの。そんなんで人が死ぬなら、世の中から悪人は一人もいなくなるよ、なんて返事を書きつつなだめつつ。

そんでもやっぱ心配なもんは心配だ。

いつもよりちょっと早めに仕事を切り上げて帰宅。

長い帰り道、いやな思いが脳裏をよぎる。


うちの父親、末期の肺ガンで余命7ヶ月宣告を出されてる。
といっても、もう2年か3年前になるかな？
ありがたいことに抗がん剤がものすごく効いて、ガンは発見時よりもかなり小さくなっている。
けれども末期には違いないわけで……。

もしかして急激に悪くなったんだろうか、それとも悪くなってったのを隠してたんだろうか。
あの人自分の病状の詳しいこと、絶対言わないからなぁ。
まさか緩和ケアに入るとかじゃないよな。ああ、もう。

そんなことをフワフワ考えつつ、帰宅して玄関の戸をあけると、夕飯のおいしい匂いがしてきて、少しだけ緊張感が緩んだ。現金なあたし。

イカンイカンとお茶の間の障子をあけると、おかーさん、おとーさん、ねーちゃんの3人がそれぞれ寝そべって「平成たぬき合戦ぽんぽこ」を見ている。

……

なんなんだ、この脱力光景は！

とりあえずおとーさんを問い詰める。
「入院すんだって？なんでまたこんな急に。しかも病院違うしヽ(`Д´)ノ」

▼それに対するおとーさんの回答
・前からいわれてた　　←家族にも言えよ
・今の病院、ベッド空いてない　　←医者いわく「評判の病院だから」
・経過確認入院だから2週間だけだって　←だから先に言えよ


その後延々と「いかに今の病院が混んでいるか」の説明。
今日も病院の日だったんだけど、駐車場から出て、病院周辺から抜け出すまでにものすごい時間かかったとか。昼近いのにまだまだ駐車場に入りたい車でごったがえしてたとか。。

結局いつもの入院だったから、よかったものの


おどろかすなヽ(`Д´)ノ


あーもー。
今日は、はらたいら氏の訃報を聞いたせいもあるのか、悪い方に悪い方にと考えてしまった。

せめて家族みんなで温泉旅行いくとか、焼肉いくとかまで生きてろ、おとーさん。